良く耳にする「遺伝子組換え」という言葉。納豆の原料表示などで「大豆(遺伝子組換えでない)」と見ることもありますが、それが一体どういう意味なのか。

遺伝子組換えの可能性がある食品を選ぶ前に、ちょと知っておいてほしい知識があります。そこで「遺伝子組換え」について、抑えておきたい5つの事実についてシンプルにまとめました!

「遺伝子組み換え」の5つの事実

遺伝子の配列を変える

「遺伝子組み換え」とはその言葉の通り、何かの「遺伝子を組み換える」という事なのです。

作物が育つ過程で「遺伝子組み換え」をする訳ではなく、その「作物の種」自体がすでに遺伝子組み換えされています。遺伝子を組み換えられた種から出来た作物が「遺伝子組み換え作物」と呼ばれます

遺伝子組み換え作物の第一号は、1994年にアメリカで作られた「遺伝子組み換えトマト」というものです。遺伝子を組み換えると、色々と利点があるのです。なんと生産者にも消費者にも。

例えばリンゴ。

従来のリンゴをカットして、お皿に放置しておくことを想像して下さい。空気に触れて、時間が経つと切り口が茶色くなります。茶色くなると見た目が悪いし、新鮮じゃないように見えませんか?

しかもリンゴはカットしていない真ん丸のものでも、何かにぶつかるとその部分が茶色くなってしまいます。こうなると売り物にならないなぁ、と困っている農家の方もいるのではないでしょうか。

それならば、茶色くならないリンゴを作ってしまおう!さて、どうやって「茶色くならないリンゴ」を誕生させようか!

そこで、リンゴの「遺伝子を組み換える」という作業をしてみましょう。リンゴにはポリフェノールが含まれていて、それが空気に触れると、酸化酵素の働きによって茶色く変色します。という事なので酸化酵素を発生させない遺伝子を持った「何者か」の遺伝子を、自然なリンゴの遺伝子の配列に組み換えてしまいます。

これで「茶色くならないリンゴ」=「遺伝子組み換えリンゴ」の完成です。

もう1つ、今度は極端な例を挙げてみましょう!

暖かい場所でしか育たないパイナップル。温室外でも育つ耐寒性の強いパイナップルがあったらいいなぁと思ったら、パイナップルに寒い所が大好きなホッキョクグマの遺伝子を組み換えちゃえばいいのです。

これで寒い所でも育つ「遺伝子組み換えパイナップル」の完成です。

パイナップルとホッキョクグマには驚きますよね。その話は例え話ですが、実はリンゴは本当の話です。この「遺伝子組み換えリンゴ」は「Arctic Apple」と呼ばれて、早ければ2017年にアメリカのスーパーマーケット店頭に並ぶそうです。

酸化による変色はしないものの、腐食による変質変色は起きるから、腐食したリンゴを誤って食べてしまう心配もなく安全なのだそうです。GALAやFUJIリンゴにも導入中だという事なのです。

除草剤耐性

この遺伝子組み換え作物は、見た目が良いだけではなく、その他の利点もあります。

例えば作物の栽培、これには通常沢山の時間、お金、労働力が必要です。そのため多くの場合、殺虫剤、殺菌剤、除草剤で野菜を守り、その手間を省こうとするので、作物には沢山の農薬がかかってしまいます。

しかも除草剤の影響で枯れてしまう作物もあるので、農家の方を大変悩ませるそうです。そういう事情ならばと、除草剤に強くなるよう作物の遺伝子を組み換えました。

こうして全ての「遺伝子組み換え作物」は除草剤耐性になりました。

遺伝子組み換え作物は、作物自体が毒素を作り出し、その作物を食べた虫は死んでいきます。遺伝子組み換え作物を育てるにあたり、殺虫剤、殺菌剤はいらないのです。

遺伝子組換えの毒性

殺虫剤や殺菌剤を散布しなくても、その作物を食べた虫が死んでしまうという事実。言い換えれば、その遺伝子組み換え作物自体が、虫にとって毒ということですよね。

その虫にとって「毒」な遺伝子組み換え作物を食べるのは誰でしょうか?

「遺伝子組み換え」の人体への安全性を100%保障できる研究結果というのは、いまだにありません。しかも「除草剤耐性」ということですが、一体どんな除草剤が遺伝子組み換え作物にはかかっているのか、ということを知ってほしいのです。

除草剤の正体

この遺伝子組み換え作物に使われる除草剤は、「グリホサート(Glyphosate)」というものです。遺伝子組み換え」を誕生させた米国の「MONSANT(モンサント)」という会社によって開発されました。

その「グリホサート(Glyphosate)」を主成分とし、モンサントは「ラウンドアップ」という商品名の除草剤を作り、遺伝子組み換え作物の種と必ずセットで販売します。

実は遺伝子組み換え作物と共に育つ雑草たち、そのラウンドアップに強くなってしまい、一度かけた位じゃ枯れないそうで大量にかけるそうです。

グリホサート系の農薬が効かない雑草(「スーパーウィード」と呼ばれるそうです)の多くは、除草剤耐性のある遺伝子組み換え種を使っている農場で発生しているということです。

除草剤に対する耐性をもった遺伝子組み換え種(GM種子)が開発されたために、除草剤が過剰使用されていることがスーパーウィードの原因だと、多くの科学者が指摘しているそうです。

ちなみにアメリカで遺伝子組み換えは「Genetically Modified Organism」と言い、頭文字をとって「GMO」と呼ばれています。「GM種子」の「GM」は「Genetic Modification」遺伝子操作のことです。

スーパーウィードに困った農家の方々の中には、グリホサートにさらに強力な化学物質を混ぜて散布しているなんて話も聞いたことがあります。こうなってくると、除草剤耐性の遺伝子組み換え作物の利点について考えざるを得ません。

遺伝子組み換え作物に過剰にかかっているそのグリホサート系の農薬「ラウンドアップ」、その主成分「グリホサート」は、動物実験で「発がん性あり」と明白になっている化学薬品です。

そのグリホサートが大量にかかった遺伝子組み換え作物を食べるのは、もちろん私たちです。

人体への影響

では、遺伝子組み換え作物を食べるとガンになるのでしょうか?

それが、この遺伝子組み換えの「人体」への影響や安全性に関しては、多くの研究結果が存在しますが、「そうです」とは言い切れないのが現状です。

WHO(世界保健機関)の下部機関であるIARC(International Agency for Research on Cancer)は、近年グリホサートに関して、「人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある」と論文を挙げました。

IARCは、化学物質や食品、放射線等の人への発がん性について研究し分類して発表しています。この論文で、「グリホサートが人にガンを引き起こすかどうか」ということは、明白にはされませんでした。

化学物質や放射線などは、暴露量によってリスクが変わるものだと思うので、人体への影響を調べるのは難しいのではないか、なんて個人的に思いました。

でもタバコやお酒について考えてみて下さい。

WHOで規制はされているものの、禁止はされていません。IARCが「お酒の発がん性」を認めているにも関わらずです。摂取する量をコントロールすれば、問題ないのでしょうか?

でも身体に良いものではなく、リスクがあることは明白です。グリホサートも、そんな扱いで良いのでしょうか?みなさんはこの事実を知っていましたか?どう思いますか?

遺伝子組み換えの危険性

遺伝子組み換えやラウンドアップの「危険性」に関しての研究結果には、批判や反論も多く混在しています。でもその批判している人たち、一体どんな人たちなのか知っていますか?

また、この危険な「遺伝子組み換え」に「GO!」を出す人たち、彼らにどんなバックグラウンドがあるのか知っていますか?

遺伝子組み換えに関わる情報を細かく調べていくと、私たちが耳にする情報は操作されていると思わざるを得ないのであります。

私の情報のまとめ方がやや偏っていると感じる方もいるかもしれません。私個人の独断で情報を集めまとめているものなので、受け取り方はみなさんにお任せします。

いま世の中に出回っている作物の全てが「遺伝子組み換え」という訳ではないので、その辺の誤解がないようによろしくお願いします。

長い記事を読んでいただきありがとうございました!ではまた!